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外国人実習生のニュース

外国人実習生に関するニュースを中心にまとめています

外国人技能実習制度 労務管理体制の整備を早急に

 「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案」、いわゆる外国人技能実習制度の改正法案が今月1日までの通常国会で成立できず、次の国会に審議が見送られた。2015年3月の前々国会で審議入りし、2度目の継続審議である。現行の仕組みから大きく変わる内容だけに実習生を受け入れている農業現場はその準備や対応に戸惑っている。
 法案は、実習生を受け入れる農家や農業法人(実習実施機関)、その監理を行う農協や事業協同組合(監理団体)は許認可の仕組みとなる。悪質な場合は許認可が取り消される。一方、優良な監理団体と実習実施機関は、試験合格などの要件を満たしたうえで、実習生の在留期間が最長3年からいったん帰国後5年に延長される。法案の背景には、現場での人手不足という事実は否めないが、暴行、パワハラやパスポートの取り上げといった人権侵害にも及ぶ悪質な行為が後を絶たず、法案名のとおり技能実習生の保護が重要な課題となっている。
 全国農業会議所は昨年度、全国各地で技能実習生の労務管理の研修と事例調査を行った。労務管理の資料を実習生ごとの母国語に翻訳し備え付けて法令順守に努める事例や、資格取得や社内試験で現場責任者への登用を目指すなど実習生のモチベーション向上に取り組む事例も見られた。くどいかもしれないが、技能実習制度は、技能移転による「人づくり」の国際貢献だ。
 今年度も引き続き各地で、農家や農業法人などの実習実施機関を対象とした労務管理研修会を開く予定だ。新たな制度内容や個別相談の時間も設ける計画であり、これから受け入れを検討する者も含め積極的な参加を望む。
 法案成立の先送りをむしろ、労務管理体制を整備する時間的余裕ができたと前向きに捉え、農業の特殊性を考慮した変形労働時間制の導入などの検討を急ぐべきだ。