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外国人実習生のニュース

外国人実習生に関するニュースを中心にまとめています

外国人実習現場の7割法令違反 14年北海道内、指導不備や無届け残業

 外国人技能実習生を受け入れている道内の事業所で、賃金不払いなどの法令違反が後を絶たない。北海道労働局が2014年に調査した125カ所の受け入れ事業所のうち7割以上の91カ所で違反が見つかった。事業者が労働関係の法令を十分に理解していないことが原因とされる。国は実習制度の拡充を目指すが、専門家は「人材育成や技術移転という建前と、安価な労働力として受け入れ、日本の人手不足を肩代わりさせている実態に大きな開きがあり、制度は限界に来ている」と指摘している。

 「残業代を時給450円に設定」「機械の扱い方を指導しなかったため、水産加工場で機械を動かしたまま刃を掃除した実習生が手を負傷」―。労働局が14年に確認した法令違反例だ。

 最も多かったのは、機械の操作を十分に指導していないなどの安全基準違反の38件。無届けで残業させる「労働時間」関連が35件、残業時などの割増賃金の支払いに関するものが24件と続く。労働局の12~14年の調査では違反率は67~75%と高水準で推移している。

 この違反率について、水産加工場に実習生を派遣する道東の協同組合は「事業者は実習生に相当気を使っていて違和感がある」と感想を語った。道央の農協も、農家への指導を徹底しているとして首をかしげる。

 それでも法令違反が多発する背景について、外国人技能実習制度に詳しい北海学園大の宮入隆准教授(農業経済)は「仕事が一時期に集中する農業は(8時間労働などを定めた)労働基準法の適用を受けないが、『技術を学ぶ』という建前で来日した実習生には労働基準法が適用される。小規模農家がルールを知らずに自分たちと同様に実習生を働かせ、違反となるケースもあるだろう」と説明する。

 労働局の調査では「違反の大半は中小零細業者や農家など、労働関係法令の知識が少ない事業所によるもの」(監督課)という。

 一方、実習生の人権問題に詳しい札幌の小野寺信勝弁護士は「実習制度には違反が表面化しにくい仕組みがある」と指摘。実習生は自国のブローカーに渡航費や仲介手数料で数十万円を支払うケースもある。不正を告発して実習が打ち切られた場合、次の受け入れ先が見つからなければ帰国しなければならない。このため人権侵害にも我慢する実習生がいるとされる。

 制度は、習得した技術を母国の発展に役立ててもらう国際貢献が目的だが、日本人が敬遠する職種で安価な労働力として受け入れているのが実態だ。これまで実習生の大半を占めてきた中国人は、中国の経済成長や円安の影響で、わざわざ日本に来て働く魅力が薄れ、集めにくい傾向にある。

北海道内の外国人実習先、違反7割 14年、法令理解足りず | どうしんウェブ/電子版(社会)