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外国人実習生のニュース

外国人実習生に関するニュースを中心にまとめています

人手不足の根にあるものを見極めよう

 人手不足が深刻だ。人口減少で労働力不足がさらに進めば経済の成長を妨げかねない。少ない人数で仕事ができるようにしたり、求められる技能を備えた人材養成に力を入れたりするなど、多面的な対策を急がなくてはならない。

 いまの人手不足の原因は、一つには経済のサービス化に雇用構造が追いついていないことだ。求職者1人に求人が何件あるかを示す有効求人倍率をみると、7月は介護の仕事が2.57倍、「接客・給仕」が3.02倍などとサービス分野で人材需給の逼迫が目立つ。

 介護の仕事に従事する人材は厚生労働省の推計では2025年に約38万人足りなくなる。保育士や看護師不足も懸念されている。

 技能を持った人材の供給が足りていないことが人手不足の根にあるとの見方もできる。ものづくりの現場では機械の整備・修理の有効求人倍率が1.99倍と高い。建築・土木・測量の技術者は3.68倍にのぼっている。

 こうした人手不足の背景をよく見極め、効果的な対策を打っていく必要がある。労働集約型のサービス分野は多くの人手に頼らないビジネスモデルへの転換を求められる。付加価値の高い商品やサービスを提供するなど1人あたりの生産性を上げる努力が要る。

 IT(情報技術)活用の余地も大きい。期待されるのはロボットによる省人化だ。介護や医療支援用などの技術開発を加速したい。建設業の生産性向上にも効果が見込める。ロボットの普及へ政府は安全基準の整備を急ぐべきだ。

 技能を備えた人材を育て、成長分野へ労働力を移していくために公共職業訓練の役割は重要になる。バウチャー(利用券)方式で利用者が訓練施設を選べるようにし、施設を競わせるなど、職業訓練の質を高める工夫をすべきだ。

 高齢者や女性の就業促進は分野を問わない課題だ。企業はフルタイムでなくても働ける短時間勤務の制度を整えるなど、潜在的な労働力の活用に努めてほしい。

 外国人労働力は受け入れ拡大を真剣に考えるときだ。経済連携協定(EPA)にもとづくインドネシアなどからの介護や看護の人材はもっと増やせるだろう。一方で外国人技能実習制度は実習生を安い労働力ととらえる雇用主が少なくなく、違法行為も後を絶たないため抜本的に見直す必要がある。外国人の受け入れ策を総合的に練り直さなくてはならない。

人手不足の根にあるものを見極めよう :日本経済新聞