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外国人実習生のニュース

外国人実習生に関するニュースを中心にまとめています

日本で技能実習 送り出し国も期待

 建設や農林水産、保健・介護などさまざまな業種で労働力不足が深刻化するなか、外国人労働者の受け入れを原則的に認めていない日本では、直面する問題を「技能実習制度」の拡充で対応しようとしている。日本で技能実習制度の見直しが進む一方、送り出し国の側も日本からの技能習得の機会と位置付け、語学を含む事前研修を徹底する姿勢が強まっている。

■工業化ノウハウ習得

 技能実習制度は、諸外国から低賃金による強制労働や監視・保護体制の欠如などで人権侵害につながる恐れがある-などと批判の声もある。このため、日本政府は技能実習制度の適正な実施と実習生の保護に関する法案を提出、今国会での成立を図る。
 こうしたなか、アジアからの人材受け入れに関心の高い企業経営者や人事担当者らを対象にした「海外人材導入セミナー」(アセアン人材育成事業協同組合主催)が21日、都内で開かれ、ベトナムバングラデシュなどの各国大使館の担当者が人材派遣の実情などについて説明した。
 ベトナム大使館のグェン・バン・バー参事官(投資促進部長)は、日本とベトナム両国の関係が近年一段と緊密化し、すでに約1500社の日系企業が進出、外国直接投資(FDI)額でも日本がトップになっていることを踏まえ、今後は人材面での交流の拡大を訴えた。ベトナムの人口約9000万の7割は農業人口とされる。グェン・バン・バー参事官は、ベトナムが一層の工業化を進めるうえで、国外からの技術習得が不可欠として、日本の技能実習制度の活用に期待を示した。
 参事官は日本に派遣する実習生が今後さらに増えるとみており、ベトナムでは中学・高校段階での日本語教育を強化しているという。また「優秀な人材を日本に派遣できるように日本との情報交換や送り出し機関の調査を行うなど大使館としてもサポートしたい」などと語った。
 バングラデシュ大使館のベイビー・ラニ・カルマカー一等書記官(労働部)は「バングラデシュの若者は言語習得能力にたけ、自由主義でチームワークにも優れている。すでに100社を超える日系企業バングラデシュに進出し、成功している」と述べ、さらなる関係強化に期待感を表明した。
 書記官は、バングラデシュでは毎年50万人以上の労働者が各国に働きに出ており、政府として労働人材教育に力を入れていることを強調。バングラデシュ国内に国際標準の技術や知識を持った熟練労働者を育成するために73カ所の訓練センターがあり、そのなかにはシンガポール向けの特別な技能を学ぶ技術研修センターが8カ所あるなど、各国に合わせて対応していることを明らかにした。
 「日本の技能実習生はまだ少ないが、現在、日本向け技術研修や日本語教育を行うセンターをつくる方向で日本側と協議している」(ベイビー・ラニ・カルマカー書記官)という。

■個人情報管理支援を

 バングラデシュでは現在、約220万人に上る派遣労働者のデータバンクがあるという。一人一人が持つ専門分野や取得した技術などを細かくデータ化して記録。
各国からの要望に応じて派遣する労働者を選び出せる仕組みだという。それぞれのデータは個人が携帯するICカードに登録され、空港や大使館などで特定の端末にかざせば、すぐさま詳細な個人情報が照会できるという。
 この仕組みなら技能実習生が勝手に派遣先企業を変えることも難しくなる。日本も技能実習制度を進めるうえで、バングラデシュのような仕組みを他の国が導入するよう支援を検討する必要がありそうだ。
 技能実習制度の新たな法整備が進めば、最大5年まで延長される。ただ、対象となる職種はあくまで技術を学ぶという趣旨に沿ったものにすべきだ。
 現在、技能実習制度に介護職も含める方向で検討が進んでいる。経済連携協定(EPA)に基づく介護福祉士の受け入れが進んでいないからと技能実習生で受け入れるのは本末転倒だ。介護福祉士に義務付けた日本語試験を簡単にする方が先だろう。技能実習という建前を守るなら、あくまで実習期間修了後、自国に帰って役立つ技術を学べる職種に限るべきだ。

【アジアの目】日本で技能実習 送り出し国も期待(1/3ページ) - 産経ニュース