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外国人実習生のニュース

外国人実習生に関するニュースを中心にまとめています

介護に外国人実習生

 政府は、外国人技能実習制度の対象職種に「介護」の追加を決めた。介護分野の人手不足は深刻さを増しており、都会ではスタッフ不足で受け入れができない施設も出ているという。今後も需要が増えていくことははっきりしているが、実習制度は本来、発展途上国への技術移転を目的とした国際貢献の枠組みだ。労働力確保のため制度を拡大運用するのは安易すぎるのではないだろうか。

 高齢化に伴い介護サービスへの需要が急増する半面、低賃金や仕事がきついことなどから介護を担う労働力は慢性的に不足している。団塊の世代が75歳以上となる10年後には、今より70万人ほど多い介護職員が必要と見込まれている。ところが、少子化で国内の若年労働者が減っているため、海外の労働者に打開策を求めたのが今回の背景だ。

 受け入れは2016年度となる見通しで、実習制度は製造業や農業など69職種が認められているが、対人サービスが対象となるのは初めてとなる。

 介護分野での外国人活用は、経済連携協定(EPA)に基づきインドネシアなど3カ国から介護福祉士候補者を受け入れており、いま佐賀県内でも8人が2施設で働いている。現在は出身国と日本で日本語を約1年学び研修に臨んでいるが、当初は日本語に苦労、生活習慣も違い、受け入れ側の教育・指導体制が整っていなければ到底、難しかったという。

 今回の実習制度による受け入れについて、県内の施設関係者は「できれば日本人スタッフにこしたことはないが、やむを得ない措置だと思う」と本音を吐露する。しかし、対人サービスとなる介護には利用者や家族との意思疎通はもちろん、文化や生活習慣が違う中、言葉だけではつかめない微妙な体調変化の把握も必要で、こうした「質」への配慮が重要となる。

 安倍政権は人手不足対策として、実習制度による外国人労働力確保の姿勢を鮮明にしている。建設業の問題深刻化に対応し昨年4月には、通常3年までの滞在期間を延長できるようにする緊急対策をまとめた。実習生として働く外国人は昨年6月で約16万人いる。

 だが実習制度自体には依然として内外の批判が絶えない。特に多い問題が賃金の未払いや長時間労働で、厚生労働省の13年の立ち入り調査によると、対象約2300事業所のうち8割で何らかの違反が見つかった。中には最低賃金さえ守っていないところがあったという。

 もはや日本人だけで対応できないのであれば「技能移転」などの建前を取り払い、新たな外国人受け入れの枠組みを検討すべきだろう。韓国では政府自らが受け入れを管理する制度を04年に導入し、効果を挙げている。その上で増え続ける介護需要に応じた労働力の確保には柔軟な発想が欠かせない。

 まずは給与をはじめとする介護職の待遇を改善し若年労働者が働きたくなる職場づくりを急ぐべきだ。リタイアした元気な高齢者が先輩高齢者の介護に就き、その見返りとして、将来サービスを受けられる「介護利用権」を付与するなどのアイデアも出されている。人材確保へもっと知恵を絞るべきだ。

介護に外国人実習生|佐賀新聞LiVE