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外国人実習生のニュース

外国人実習生に関するニュースを中心にまとめています

【外国人実習拡大】人権の保障が大前提だ

 厚生労働省有識者検討会は、外国人技能実習制度の対象職種に介護分野を追加することを認める報告書をまとめた。受け入れは2016年度に始まる見通しだ。
 人口減少が進み、働き手の確保が重大な課題になっている。しかし技能実習制度をめぐっては、賃金不払いや過重労働など違法行為が後を絶たない。受け入れを拡大するのなら、人権の保障や労働環境の改善が大前提となる。
 介護の現場では慢性的に人手が不足している。団塊の世代が全て75歳以上となる25年に向けて今後80万人程度増やす必要があり、人材確保が急務となっている。
 介護分野では現在でも、経済連携協定(EPA)に基づきインドネシア、フィリピン、ベトナム3カ国から外国人労働者を受け入れている。
 日本の国家資格を取得し、長期間働いてもらうことを期待しているが、来日した約1500人のうち合格者は約240人にとどまる。日本語の習得などがネックとなっているからだ。
 このため政府は昨年6月にまとめた新たな成長戦略で、技能実習制度に介護分野を加えるかどうか検討するとしていた。
 技能実習制度は本来、習得した技術を母国の発展に役立ててもらうことを目的とする。高齢化への対応は世界各国でも重要なテーマだ。日本が培った介護技術を海外で活用してもらえれば意義はある。
 だが技能実習の名の下に、都合のいい労働力として利用される懸念は拭えない。過去には外部との連絡禁止や帰国の強要など人権侵害もあった。
 さらに製造業が中心の従来の技能実習と違い、介護は人を相手とするサービスだ。中には認知症などを抱える利用者もいる。安易な受け入れはサービスの質の低下を招く可能性もある。
 報告書によると、一定の日本語能力や専門知識といった固有の要件を設定する。適切な指導のため実習生の受け入れ人数にも厳しい上限を設ける。
 利用者の命や安全に関わるだけに、指導体制の充実が欠かせない。
 技能実習制度は海外からは「強制労働」との批判もある。政府は制度そのものを見直し、不正監視や実習生保護を強化する方針だ。
 外国人と共に働く場面はこれからもっと増えるだろう。不当な扱いを許さない仕組みづくりを急ぎたい。

高知新聞